「食物繊維が腸活のキー」だということが、最近メディアなどでも取り上げられていますが、それと同時に「イヌリン」という食品もテレビや雑誌で目にしたり、食品の栄養成分で見かけることが増えてきています。
『どんな効果があるのかな?』『デメリットはないのかな・・』と気になっている方も多いはず。イヌリンが腸内細菌に働きかけることによって得られる健康効果やダイエット効果などを、見ていきましょう。
腸内細菌にとってイヌリンは最上級の食事
「腸内フローラの改善には水溶性食物繊維が重要」であることは、すでにご存じの方もあるかもしれません。中でもイヌリンは腸内細菌にとって最上級の食事!腸内細菌に大好物のイヌリンを与えて健康に過ごしたいですね。
腸内フローラのことをもっと詳しく知りたいという方は、こちら(いま注目の腸活「善玉菌×食物繊維」=シンバイオティクスとは?)もぜひご覧になってみてください。
イヌリンの健康効果
水溶性食物繊維であるイヌリンが大腸に働きかけることで、期待される効果をまずは健康面からご紹介します。
プレバイオティクスで整腸に作用
イヌリンは主に大腸にいるビフィズス菌などの善玉菌のエサとなります。善玉菌はエサを食べると、酪酸などの短鎖脂肪酸という体にとって有用な物質を生み出します。この働きによって腸内環境が良好な状態に近づいていきます。
短鎖脂肪酸は、腸内を弱酸性にすることで有害細菌の増殖を抑えたり、大腸粘膜を刺激して蠕動運動を促したりします。
免疫系を刺激
大腸から吸収された短鎖脂肪酸は免疫系に働くことが知られていますが、実は短鎖脂肪酸は口から食事として摂っても小腸で吸収されてエネルギー源として使われてしまうので、大腸までたどり着かないのです。
イヌリンは胃や小腸で消化・吸収されずに大腸まで届くので、免疫に働きかけられると期待されています。
食後血糖値の上昇を抑制
私たちが食事を摂ると、糖質が吸収されることで食後血糖値が上がりますが、血糖値の急な上昇は糖尿病などのリスクを高めるとして、ゆるやかに上昇するような食事が推奨されています。イヌリンは糖質の吸収を抑え、食後の血糖値の上昇をおだやかにする効果があります。
コレステロールの吸収を抑える
健康診断などで若い方でも指導を受けるケースがあるコレステロール。気を付けておきたい指標の一つです。
イヌリンは小腸内でコレステロールを吸着しそのまま体外に排泄する特性があるため、食事からのコレステロールの吸収を抑えることができます。
イヌリンのダイエット効果
ここからは、イヌリンの特性を活かした摂取方法で期待できるダイエット的な効果もご紹介していきます。
食べすぎをカット
イヌリンの特徴の一つである粘性により、胃や腸を時間をかけて進んでいくので、お腹がすきにくくなったり食べすぎを防いだりする効果が期待できます。
砂糖代替で糖をカット
イヌリンはタイプにもよりますが、ほんのり柔らかな甘みがあるので、お砂糖の代わりに使うこともできます。そして嬉しいことに、カロリーが砂糖の約半分(約2kcal/1g)なので、お砂糖を使う時に一部をイヌリンに置き換えることで糖分もカロリーもカットできるということ。
毎日の調理で使うことによって、糖質やカロリーを減らし食物繊維プラスもできるので、野菜を無理に大量に食べるなんてことからも解放されます。
脂肪代替でカロリーをカット
イヌリンを高濃度に溶かした水を冷やすとペースト状になります。粘度があるので、ある程度の硬さも保ちつつもなめらかな食感も表現できる。例えば、ホイップクリームやアイスクリームなどを作るときに、脂肪分の代わりにイヌリンペーストを使うと、美味しさそのままにカロリーカット!さらに食物繊維の入ったスイーツができるという嬉しいこと満載ですね。
イヌリンに副作用はあるの?
ここまでイヌリンのメリットを紹介してきましたが、デメリットはあるのかしら?と思う方もあるでしょう。
イヌリンは一般食品でお薬ではないので、いわゆる副作用と言われるものはないと思って大丈夫です。
食物繊維ですから、普通に食事をしている分には健康を害することは考えにくいでしょう。ただし、サプリメントなどの栄養補助食品で多くとりすぎてしまうと、おなかがゆるくなったり、張ったりするなどの症状を引き起こす心配はあります。
多くの方の腸内細菌に喜ばれるイヌリンですが、中には合わない場合もありますので、イヌリンに限らずですが自分に合っているかどうか?などの様子を見ることはどんな食品でも重要です。
多く摂れば期待する作用が大きくなるというものではないので、市販されている商品のパッケージを参考に適正範囲で使いましょう。
まとめ
イヌリンの整腸、免疫などの健康効果や、食べすぎや糖質の摂りすぎを抑制する効果を説明してきました。
イヌリンは計量不要でそのままコーヒーなどに入れるスティックタイプのものを決められた量きっちり摂るという人や、500gや1kgなど大容量のものを毎日のいろいろな食事にプラスするという人もあるようです。
主にはドラッグストアの青汁などが売っているコーナーや、ネット通販などでお求めが可能ですので、気になった方は一度手に取って試してみるのもよいでしょう。