飽食による新型栄養失調な現代人、鉄不足を補うには | ビオリエ | 帝人株式会社

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コラム

飽食時代の鉄不足を補うには

  • ヘルシーライフ

飽食の時代へ突入し、食べたいものがすぐに手に入る世の中になりました。
ファストフードやファミリーレストランが当たり前になり、インストタント食品など安くて早くて便利なものがちまたに溢れています。栄養のことを何も考えずに食事をとっていると、糖質や脂質はしっかりとれるのでカロリーは満たされますが、体に必要な栄養素、特にタンパク質やビタミン、ミネラルが不足しがちです。そういう状態を「新型栄養失調」と呼びます。

最近は手軽で便利、かつ栄養のことをしっかり考えられている食べ物(外食、中食や加工食品)もずいぶん増えてきていますが、まずは自分が選択する食品、食材、そして含まれる栄養について関心を持つことから始めてみませんか。
本日は、栄養成分の中でもカラダにとって重要な役割を果たす鉄についてご紹介します。

飽食時代の鉄不足とは?

「国民健康・栄養調査」(令和元年:厚生労働省)の結果を見ると、特に女性や若い男性で鉄分が不足していることが分かります。

「日本人の食事摂取基準(2020年版)」によると、成人男性(18~64歳)の1日当たりの鉄の推奨量は7.5mg、成人女性で10.5~11.0mg(18~64歳、月経あり)、6.5mg(18~64歳、月経なし)とあります。この推奨量に対して、実際の鉄摂取量は成人男性(20歳以上)の平均値こそ1日8.3mgと推奨量より多いですが、成人女性(20歳以上)の摂取量は1日7.5mg で、月経ありの場合、大きく不足しています。女性の鉄摂取量を年代ごとに推奨量と比較すると、20~29歳:6.2/10.5mg(摂取量/推奨量)、30~39歳:6.4/11.0mg、40~49歳:6.7/11.0mgであり、男性の若年層(20~39歳)も7.2~7.4/7.5mgと推奨量に対し摂取量が不足しています。

成人男性 成人女性
月経あり
成人女性
月経なし
推奨量 7.5mg/日 10.5~11.0mg/日 6.5mg/日
摂取量 <20歳以上平均>
8.3mg/日
<20歳以上平均>
7.5mg/日
<20~39歳>
7.2~7.4mg/日
<20~49歳>
6.2~6.7mg/日

男女ともに、特に若い方の食生活では鉄分が不足しがちであるので、意識的に鉄を摂ることを心がけてください。

女性は、月経によって毎月多くの鉄を失うことから、女性は月経ありなして鉄の必要量が大きく異なります。また、妊娠すると妊娠末期には非妊娠時と比べ血液量が35~40パ-セント程度増加するので、貯蔵鉄は消費され、妊娠月数が進むにしたがい貧血の頻度が高くなります。産後の授乳期間では多くの血液が必要となり、より多くの鉄が必要になります。また更年期前後では子宮筋腫などを患う女性も増えてきており、本人が気づかないうちに貧血になっているケースも多く見られます。

鉄欠乏性貧血予防の食事とは?

栄養素は単独では働かず、お互いに連携し合ってチームで働いているのをご存知でしょうか。例えば血液を作るには、鉄分だけを摂っていればよいわけではなく、良質なたんぱく質やビタミンB6、B12、葉酸、銅なども必要です。鉄と一緒にこれらを含む食品と一緒に摂ることに加え、吸収率を上げるために食べ合わせにも工夫をする必要があります。鉄には、ヘム鉄(肉や魚)と非ヘム鉄(野菜や海藻類)がありますが、特に非ヘム鉄は動物性のタンパク質やビタミンCを一緒に摂取するとよいでしょう。

また、鉄の吸収を阻害するものとして、タンニン、シュウ酸、フィチン酸があります。タンニンは緑茶やコーヒー、シュウ酸はほうれん草、フィチン酸は大豆などの豆類などに含まれています。鉄を積極的に取り入れたいときには、これらの食品との食べ合わせに気をつけてください。

鉄に限らず、栄養素を摂取するには、栄養バランスのよい食事を日ごろから心がけることが大切です。
考え方として、伝統的な和食「一汁三菜」、「まごはやさしいわ」を中心に心がけるのがおすすめです。
鉄が豊富な食材といえばレバーというイメージが強いですが、和食の食材も豊富なものがたくさんあります。例えば、穀物である玄米やスーパー大麦には鉄が豊富に含まれます。その他、鉄分を含む納豆、みそ、切り干し大根、魚(カツオ、サバなど)、卵、海藻、豆類、ゴマ、小松菜などを習慣的に摂ることが、貧血予防につながります。

鉄が豊富に含まれている食材

※全て可食部100g当たりの量/単位mg

  • 青のり 77.0
  • 岩のり 48.3
  • あさり水煮缶 29.7
  • 煮干し 18.0
  • のり 11.4
  • 切り干し大根 9.7
  • ごま 9.6
  • 鶏レバー 9.0
  • 豆みそ 6.8
  • 卵黄 6.0(全卵1.8)
  • あずき 5.7
  • 牛レバー 4.0
  • 米みそ 3.4
  • 納豆 3.3
  • 小松菜 2.8
  • カツオツナ缶 2.6
  • 牛ヒレ肉 2.5
  • スーパー大麦 6.1
  • 玄米 2.1
  • 鯖、キハダマグロ 2.0
  • カツオ1.9

体の中では作られないミネラルはスーパーフードを活用

一部のビタミンは体の中で作り出されますが、鉄をはじめとするミネラルは一切作り出せません。
ミネラルは微量栄養素といって、1日に必要な推奨量がmgや㎍という1gにも満たない非常に少ない量ですが、日本人は、鉄以外にも亜鉛、カルシウムなど不足しているミネラルが多い現状にあります。
外食が多い方はもちろん、食事をバランスよく摂っている方も、スーパーフード(栄養バランスに優れ、一般的な食品より栄養価が高い食品)を活用することもおすすめします。日常で不足しがちな栄養素を補うことができます。

スーパー大麦を使った鉄分豊富なレシピ

食物繊維の量に注目されることが多い雑穀ですが、実は鉄分を多く含む種類もあります。その1つであるスーパー大麦を使って、管理栄養士が考案した鉄分がしっかり摂れるレシピをご紹介します。

ホタテとカラフル野菜のセビーチェ

前菜としても副菜としても活躍すること間違いなしのサラダ。カラフルな見た目も、レモンのさっぱりとした風味も、食が進む1品です。

厚揚げのタイ風サラダ

ピーナッツとスーパー大麦をきゅうりと和えて、焼いた厚揚げに乗せるだけの簡単さが嬉しいレシピ。ヘルシー食材ばかりを使い、子供から大人までみんな楽しめるメニュー。


この記事はこちらの方に監修いただきました。

北川みゆき
合同会社Holistic Style代表、日本栄養コーチ協会副代表

管理栄養士、米国Nutriton Therapy Institute認定栄養コンサルタント、米国Phytomedic Labs認定酵素・栄養セラピスト。アメリカの最新栄養学を学び、人を「食・心・体」全体で捉えることの重要性を学ぶ。大学病院、統合医療系クリニック、保育園を経て独立。全国での講演・講義、セッション、コラム執筆、監修、レシピ開発、予防医学コミュニティ運営など多岐にわたり活動中。
・栄養ベーシックコーチプログラム
https://peraichi.com/landing_pages/view/eiyou1

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