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腸内フローラの重要なキー「プロバイオティクス」とは

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腸内フローラ

ヒトはどのくらいの細胞で出来ているかご存じでしょうか。

人体は37兆個の細胞で出来ていると言われています。

一方、ヒトの口の中や皮膚、腸内には様々な菌がいます。これらを常在菌というのですが、その数は何と数百兆個と言われています。ヒトの細胞より1桁多い数字です。
この常在菌が最も多く住んでいるのが大腸です。
大腸に住んでいる菌は数だけでなく、種類も非常に豊富です。大腸に様々な腸内細菌がすみついている様子を腸内フローラと言います。

体の部位と菌の数

出典:PLOS Biology 2016; 14: e1002533

理想的な腸内フローラは、約2~3割が善玉菌、約1割が悪玉菌で、残りは日和見菌だと言われています。腸内フローラは日々の食事はもちろん、生活習慣によっても変化しますし、年齢によっても変化することが知られています。

糞便1gあたりの菌数

出典:光岡 知足 著,「腸内細菌の話」(岩波新書)

腸内フローラのためのプロバイオティクス

では、このような腸内フローラを良好な状態で維持するにはどうすればよいでしょうか。その方法の一つが、善玉菌を摂取するプロバイオティクスです。

最近、プロバイオティクスという言葉を耳にする機会も増えてきました。実はプロバイオティクスという言葉は、明確な定義があります。
2002年に、国連食糧農業機関(FAO)と世界保健機構(WHO)の合同ワーキンググループがプロバイオティクスを「適正量を摂取した宿主に有用な作用を示す生菌体」と定めました。“宿主”とは、プロバイオティクスを飲む人のことです。ここで重要なのは、“適正量”と“生菌体”です。

善玉菌にも、様々な種類があります。乳酸菌やビフィズス菌は有名です。世の中には、乳酸菌やビフィズス菌が入った製品がたくさんあります。しかし、製品に含まれる菌の量は様々です。プロバイオティクスを選ぶときは、“適正量”入っているか注意が必要です。また、殺菌乳酸菌を配合した製品もありますが、定義としてはプロバイオティクスからは外れてしまいます。

腸内フローラの研究はどんどん進み、特定の役割をする腸に働く乳酸菌や骨に働く乳酸菌が見つかっています。これからは、単に“乳酸菌やビフィズス菌を取る”だけでなく、どんな状態(生きているのか死んでいるのか)の、どのビフィズス菌(または乳酸菌)をどれだけ取るのか、まで考えるようになると良いですね。

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