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膣内フローラとは?腸内フローラとの関係と整え方

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膣内フローラとは?腸内フローラとの関係と整え方

腸に腸内フローラがあるように、膣にも膣内フローラが存在します。

この膣内フローラを良好に保つために、腸内環境を整えることが大切であることがわかってきました。

腸の出口と膣の入り口は隣り合っているため、細菌が出入りしやすく、密接に関わり合っているのです

この記事では腸内フローラと膣内フローラの関係、膣内フローラが乱れるとどのようなことがあるのか、その整え方について詳しく解説します。

腸内フローラと同様に膣内フローラも食事で整えることができますので、ぜひ取り入れてみてください。

 

膣内フローラとは

「腸活」や「菌活」という言葉をよく耳にするようになり、腸内環境を整えるメリットは幅広く知られるようになりましたが、膣内の環境にも細菌が大きく影響しています。

 

腸内フローラと膣内フローラ

膣の中にはたくさんの細菌が生息していて、同じ種類で群れ(菌叢)をなしています。

その様子が、さまざまな花が種類ごとに咲いているお花畑に見えることから、菌叢は「フローラ」と呼ばれ、膣内細菌叢は「膣内フローラ」と呼ばれます。

「腸内フローラ」という言葉を一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか。

腸内と同じように膣内にも善玉菌、悪玉菌が存在し、善玉菌が優位な状態を保つことで膣内環境を整えることができます。

膣と腸は体の中でも近い場所にあるため、菌が出入りしやすく、腸内環境を整えることも膣内環境に役立ちます。

 

善玉菌と悪玉菌

腸内細菌は、人の体に良い影響をもたらす「善玉菌」、悪い影響をもたらす「悪玉菌」、どちらでもない「日和見菌」の3つのグループに分けられます。

「善玉菌2:悪玉菌1:日和見菌7」が理想的な割合といわれており、腸内環境を整えるには善玉菌が優勢な状態をつくることが大切です。

善玉菌を増やすには、生きた善玉菌を含む食品を直接とることや、善玉菌が好んで食べる「エサ」を摂取することが大切で、食事を通して補うことができます。

この善玉菌が好んで食べる「エサ」が、多くの水溶性食物繊維やオリゴ糖です。

腸内と同じように膣内にも善玉菌、悪玉菌が存在し、善玉菌が優位な状態を保つことで膣内環境を整えることができます。

膣と腸は体の中でも近い場所にあるため菌が行き来しやすく、腸内フローラを整えて善玉菌を増やすと、膣内環境も改善されやすくなります。

 

膣内フローラが乱れると

女性特有の症状は、人に相談しにくいと感じる人が多く、病院に受診するのをためらう方も多いようです。

しかし、膣の異常を放っておくと雑菌が繁殖して子宮内膜炎や卵管炎、骨盤腹膜炎などを引き起こすこともあるため、早めに専門家に診てもらうことをおすすめします。

ここでは膣内フローラが乱れると起きやすい症状について解説します。

 

デリケートゾーンのにおい

女性器とその周辺のことを「デリケートゾーン」と呼びます。

常に下着と密着しているため、汗や経血のにおいがこもりやすくなる傾向がありますが、においの原因が病気の場合もあるため注意が必要です。

特に「魚のようなにおい」「腐敗臭」などと表現されるにおいがある場合は、膣感染症の可能性もあり、病院を受診することをおすすめします。

このにおいはアミン臭とも呼ばれ、不快なにおいだと感じる人が多く、自分で気づくきっかけになることも少なくありません。

 

おりものの異常

膣内フローラが乱れている場合、症状として出やすいのがおりものの異常です。

おりものの性状が「生理周期に関わらず量が多い」「魚のようなにおいがする」など、いつもと違う症状を感じたら注意が必要です。

通常のおりもの性状は、個人差があるので一概にはいえませんが、以下のような場合は注意が必要です。

 

  • 月経周期とは関係なく、ずっとおりものの量が増えている
  • おりものに乳白色以外の色がついている
  • おりものがとても臭い
  • おりものがドロドロしている
  • カッテージチーズのようにぽろぽろとした塊がある
  • おりものに触れる部分にかゆみがある

 

おりものの異常は、膣内環境の乱れを知らせるサインです。

おりものがいつもと違う場合は、細菌性膣症などの膣感染症である可能性もあるため、続くようなら専門家に診てもらいましょう。

 

細菌性膣症

細菌性膣症は、膣内に存在する細菌のバランスが崩れた時に起こる感染症です。

健康な女性の膣の中にはさまざまな常在菌が存在していますが、その75~95%はラクトバチルス菌であるとされています。

ラクトバチルス菌はグリコーゲンを分解して乳酸を作り出し、膣内を酸性に保つことで雑菌が入ってくるのを防いでいます。

さまざまな要因により、ラクトバチルス菌が減少すると膣内環境が乱れ、細菌性膣症などの膣感染症を引き起こします。

無症状の方が半数以上を示しますが、症状がある場合は灰白色のおりものが増えたり、おりものににおいが発生したりすることがあります。

細菌性膣症は膣感染症の1つですが、他に膣トリコモナス症、性器カンジダ症などがあり、いずれもおりものの異常や不快感、膣のにおいが強くなるなどの症状を引き起こします。

 

膣内フローラを乱す習慣

膣内フローラは生活習慣によって乱れやすいため、当てはまるものがないかチェックしてみましょう。

健康に良いと思ってやっていたことでも、逆効果になってしまうこともあります。

 

膣内の洗いすぎ

膣の清潔を保つために丁寧に洗うことは大切ですが、過度に洗うのはかえって膣内フローラを乱す原因になります。

デリケートゾーンを洗う時は、ぬるま湯でやさしく流す程度にしましょう。

念入りに洗うと膣内にいる善玉菌まで一緒に洗い流してしまい、膣内環境を乱す原因となるからです。

生理中や汚れが気になる場合は、刺激の少ない弱酸性の石鹸を使って、外陰部をこすらないよう注意しながら泡で包み込むようにして洗いましょう。

生理中はこまめにナプキンを交換し、デリケートゾーンを清潔にしておくことも大切です。

タンポンを使用する時も、長時間膣の中に入れたままにしておくと、たまった血液で膣内がアルカリ性に傾き、雑菌が繁殖しやすい環境となってしまうため、こまめに入れ替えることをおすすめします。

 

抗生物質の長期使用

細菌による感染症の治療に抗生物質が使われることがありますが、抗菌薬は悪い菌だけでなく、良い菌も減らしてしまうおそれがあります。

治療に必要な場合は医師の指示に従いましょう。

ウイルスが原因の風邪の場合、通常抗菌薬は必要ありません。

安心のために処方を希望したり、指示よりも長い間服用したりするのは避けたほうが良いでしょう。

 

喫煙

喫煙は細菌性膣症のリスクの1つであるといわれています。

詳しいメカニズムはわかっていませんが、タバコの煙に含まれるベンゾピレン化合物によって乳酸桿菌が破壊されることが主な要因のようです。

腸内環境を乱す原因にもなりやすいため、不調を感じたら注意が必要です。

 

ストレス

健康な女性の膣の中にも、ラクトバチルス菌は存在しています。

ラクトバチルス菌はグリコーゲンを分解して乳酸を作り出し、膣内を酸性に保つことで雑菌が入ってくるのを防いでおり、これは「膣の自浄作用」といわれています。

この自浄作用が、疲労や過労、睡眠不足などのストレスがあると弱まってしまいます。

ストレスは免疫力を低下させるため、さまざまな症状を引き起こしやすくなります。

 

膣内フローラを食事で整える

腸内フローラを整える食事として知られているのが、乳酸菌などの善玉菌を直接とることと、善玉菌のエサとなる水溶性食物繊維やオリゴ糖をとることです。

腸内フローラを良好に保つことは、隣り合っている膣内フローラの改善にも役立つため乳酸菌を含む発酵食品やスーパー大麦、イヌリンなどに豊富に含まれている水溶性食物繊維を積極的にとりましょう。

膣内フローラに直接働きかける乳酸菌の開発も進んでいます。

 

膣内にも善玉菌が重要

腸内フローラと同様に、膣内フローラを整えるためにも善玉菌が必要です。

善玉菌として広く知られているのは乳酸菌でしょう。

その乳酸菌の中でも膣内フローラに直接働きかける乳酸菌があります。

女性のために開発された「乳酸菌UREX」は役割の違う2種類の乳酸菌をバランス良く配合しています。

膣内フローラのバランスを改善するには、腸内フローラと同様に、有用な働きをする菌が長く膣内に留まる必要がありますが、乳酸菌UREXは臨床研究において他の乳酸菌に比べて長く膣内フローラに留まることが確認されています。

 

効果的なとり方

腸内環境も膣内環境も、乳酸菌を一度とっただけでは効果が感じにくいため、継続して摂取することが大切です。

1回の量を、推奨量以上に過剰にとっても効果は高くならないとの研究結果があり、1度にたくさんとるよりも毎日とって膣内フローラに働きかけましょう。

 

まとめ

腸に腸内フローラがあるように、膣にも膣内フローラが存在します。

腸の出口と膣の入り口は隣り合っているため、細菌が出入りしやすいことから、膣内フローラを良好に保つために、腸内環境を整えることが大切であることがわかってきました。

膣内フローラが乱れると、デリケートゾーンのにおいの原因や、おりものの異常、細菌性膣症などの膣感染症にかかるなどのリスクがあります。

膣内フローラを乱す原因として、喫煙、ストレス、抗生物質の使用などがありますが、清潔を意識して洗いすぎてしまうこともよくありません。

腸内フローラと同様に、膣内フローラにも善玉菌が存在し、膣の中まで過剰に洗ってしまうと良い菌まで一緒に流してしまうからです。

膣内フローラを整えるためにも、善玉菌を含む乳酸菌や水溶性食物繊維の摂取を心がけて腸内フローラを整えていきましょう。

膣内フローラに直接働きかける乳酸菌UREXもおすすめです。

福井医師 福井 美典 /医師(糖尿病専門医・抗加齢医学専門医・救急科専門医・総合内科専門医・栄養療法医・美容皮膚科医)


糖尿病内科・栄養療法・美容皮膚科に従事。
分子栄養学に基づき、不足栄養素を補うことで、 からだの細胞を活性化させる栄養療法を取り入れている。
糖尿病診療においては、からだにやさしい血糖値コントロールを基本に、低糖質・高たんぱく質の食事の大切さを、臨床で自ら栄養指導をしている。
美容皮膚科診療においては、美容施術のみならず、栄養療法を基本としたインナーケアにも尽力している。
公式instagram:https://www.instagram.com/fukuinaika.biyou.eiyou/
公式HP:https://www.seijinkai-clinic.com/

参考文献
性感染症 診断・治療 ガイドライン 2016
http://jssti.umin.jp/pdf/guideline-2016.pdf
MSDマニュアル家庭版 細菌性膣症
https://www.msdmanuals.com/ja-jp/%E3%83%9B%E3%83%BC%E3%83%A0/22-%E5%A5%B3%E6%80%A7%E3%81%AE%E5%81%A5%E5%BA%B7%E4%B8%8A%E3%81%AE%E5%95%8F%E9%A1%8C/%E8%85%9F%E6%84%9F%E6%9F%93%E7%97%87%E3%81%A8%E9%AA%A8%E7%9B%A4%E5%86%85%E7%82%8E%E7%97%87%E6%80%A7%E7%96%BE%E6%82%A3/%E7%B4%B0%E8%8F%8C%E6%80%A7%E8%85%9F%E7%97%87
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