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コラム

腸活におすすめの食べ物と効果的に摂取するコツ

  • 腸活お役立ち情報

腸活で腸内環境を整えるのに「食べ物」は欠かせません。

腸内環境は日々入れ替わっており、毎日摂取する食べ物の影響を受けています。

腸内環境を良好に保つには、人間にとって有益な働きをする腸内細菌を増やしていくことがポイントですが、有用な菌が活性化するためにも食べ物が重要です。

腸活におすすめの食べ物と効果的に摂取するコツ

この記事では、腸活におすすめの具体的な食べ物と、摂取の仕方のポイントをお伝えします。

身近にある食べ物をご紹介していきますので、ぜひ取り入れてみてください。

腸活の基本

腸活とは、バランスの良い食事や運動、質の良い睡眠などで腸内環境を整え、健康につなげる活動を指します。

腸は食べ物の消化・吸収から便を作り排出するまでを行う器官であり、腸内環境が悪いと栄養をうまく消化・吸収できません。

同時に、食べ物と一緒に外から入ってくる悪い菌から身を守るために、腸には免疫細胞の半分以上が存在し、健康と直結する免疫の重要な器官でもあります。

健康を考えるにあたって、腸活は欠かすことができないのです。

腸活のメリット

腸活により腸内環境を整えることで期待できるメリットは、以下が挙げられます。

  • 排便のサポート
  • 免疫力のサポート
  • 幸せホルモン「セロトニン」が増えて、気持ちを安定する
  • ビタミン類が合成され、美肌をサポート など

腸活は腸そのものだけでなく、全身に良い影響をもたらします。

腸活のメリット

腸内環境を整えるには食事から

腸内には1000種類、100兆個に及ぶ腸内細菌が住んでいます。腸内細菌は人にとって良い影響をもたらす「善玉菌」、悪い影響をもたらす「悪玉菌」、どちらでもない「日和見菌」の3グループに分けられます。

理想的な割合は、善玉菌2:悪玉菌1:日和見菌7といわれ、腸内環境を整えるには善玉菌が優勢な状態を作ることが大切です。

善玉菌を増やすには、善玉菌を含む食品を直接摂ることや、善玉菌が増えやすい環境を作ることが大切で、食事を通して環境を整えることができます。

腸内環境を整えるには食事から

プロバイオティクスとプレバイオティクス

生きた善玉菌を「プロバイオティクス」、善玉菌のエサとなる食物繊維やオリゴ糖などを「プレバイオティクス」といいます。

プロバイオティクスという言葉はアンチバイオティクス(抗生物質)に対して提案された用語で、共生を意味するプロバイオシス(:probiosis proは共に、biosisは生きる、を意味する)を語源としています。

プレバイオティクスという言葉も、アンチバイオティクスに対して提案された用語ですが、使われるようになったのは少し後のことです。

プロバイオティクスの方が一般的に良く知られていますが、腸内フローラを良好に保つには善玉菌のエサとなる食物繊維やオリゴ糖を摂ることも同じくらい重要になります。

プロバイオティクス編

腸内環境を整える微生物のうち、生きたまま腸まで到達し人間にとって良い影響を与える微生物をプロバイオティクスといいます。

プロバイオティクスは乳酸菌やビフィズス菌が代表的ですが、それらのすべての菌が腸まで到達できるわけではありません。

発酵食品や発酵調味料は、発酵に善玉菌である乳酸菌やビフィズス菌を使用しているため、加熱をしていなければ生きたまま菌が残り、それらを食べることによって、腸まで到達できる可能性があります。

多くの菌は胃酸によって死菌となりますが、死菌となっても体にとって良い効果が期待できるため、生きたまま摂ることにこだわりすぎなくても良いでしょう。

発酵食品には何がある?

代表的な発酵食品はヨーグルト、味噌、キムチ、納豆などです。

  • 乳酸菌(動物由来)・・・ヨーグルト、チーズ
  • 乳酸菌(植物由来)・・・味噌、キムチなどの漬物
  • 納豆菌・・・納豆
  • 酪酸菌・・・ぬか漬け

発酵食品には何がある?

微生物が食品を分解しエネルギーを得ることで、人間に有用な物質を産生する、有用な作用をもたらす変化を「発酵」と呼びます。「腐敗」も微生物が食品を分解する点は同様ですが、人間にとって有害な物質を産生する、有害な作用を起こす変化を指します。

発酵食品は、冷蔵技術のない時代から食品を長く保存する大事な手段であり、昔ながらの和食は発酵食品を豊富に使用しています。

発酵調味料と選び方

代表的な発酵調味料は、味噌、醤油、酢です。

醤油と酢は、一般的に製造の段階で加熱処理が加わりますが、生醤油やたまり酢などの加熱処理をしないものもあります。

加熱で菌は死んでしまうため、生きた菌を摂りたい場合はそのようなものを選んでも良いですが、前述の通り菌は死んでしまっても体に良い影響をもたらします。

菌が生きたままの状態で味を保つには保存方法も注意が必要になるため、必要に応じて使い分けるのが良いでしょう。

<味噌は家庭の味>

味噌は蒸した大豆をつぶし、麹菌と塩、種水を混ぜ合わせて発酵させた調味料です。

発酵することでアミノ酸やビタミン類が増え、大豆にはもともと含まれない酵母や乳酸菌なども摂取できます。

麹菌をつける原料によって、米味噌、麦味噌、豆味噌の3種類に分けられる他、味によって「辛口」「甘口」「甘」、色によって「赤」「白」「淡色」に大きく分類されるなど種類が豊富です。

味噌汁の味は家庭の味というように、使う味噌によって家の好みが現れますので、ぜひお気に入りを見つけてみてください。

蓋に空気穴があるものは、生きた味噌の証拠です。発酵し続けているため味わいも色も変化しますが、生きた善玉菌を摂れます。

プレバイオティクス編

プレバイオティクスは、腸内細菌のエサとなりそれらを活性化させることで、人に有益な影響を与える難消化性の食品成分を指します。

代表的なものは、食物繊維とオリゴ糖です。

食物繊維は2種類ある

食物繊維は水に溶けやすい「水溶性食物繊維」と、水に溶けにくい「不溶性食物繊維」に分けられます。

水溶性食物繊維は主に、腸内の善玉菌のエサとなり善玉菌の増殖を助けます。

一方、不溶性食物繊維は主に、便の体積を増やし、腸の蠕動運動を促す働きがあります。

どちらも腸活には欠かせない成分であり、バランス良く摂取することが大切ですが、意識しないと摂りにくいのは水溶性食物繊維だといわれています。

水溶性食物繊維が豊富な食品

大麦などの穀物、果物や海藻類、繊維のやわらかい野菜に多く含まれています。

繊維の多いものというとスジのあるイメージを持たれることもありますが、ねばねばしたものや水に溶けてサラサラしたものまで様々な形状をしています。

  • 穀類(特に麦類に多く含まれる)
  • 果物(キウイやりんご、かんきつ類、プルーンなど)

穀類

  • 野菜類(ごぼうやオクラなど)
  • 海藻類(昆布、わかめ、もずくなど)

海藻類

不溶性食物繊維が豊富な食品

根菜類やきのこ類、繊維のかたい野菜、豆類に多く含まれています。

食感がかたいものが多く、食事をよく噛んで食べることにも役立ちます。

  • 穀類(玄米や全粒粉など未精製のものに多く含まれる)
  • きのこ類(しいたけ、えのき、しめじなど)

きのこ類

  • 豆類(大豆、小豆、ひよこ豆、レンズ豆など)
  • 野菜類(ごぼう、たけのこなど)

ごぼう

オリゴ糖は食品からも摂れる?

オリゴ糖は、食品からも摂ることができます。

具体的には、大豆、玉葱、ごぼう、ねぎ、にんにく、アスパラガス、バナナなどに多く含まれています。

食品で摂取しにくい場合は、市販されているオリゴ糖もあるので上手に活用しましょう。

市販されているものは手軽にたくさんの量を摂れるので便利ですが、人によっては過剰に摂取するとお腹が張る、緩くなるなどの影響が出る場合もあるので、摂りすぎないよう注意しましょう。

簡単で効果的な食べ方

腸活食材を効果的に食べたい場合には、食べ物の組み合わせが大切です。

また、腸の状態は日々変化していますので、毎日継続して腸に良い食品を摂取し、様子を見ることで腸内環境改善につながります。

善玉菌+エサを一緒に

生きた善玉菌、すなわちプロバイオティクスと、そのエサとなるプレバイオティクスを一緒に摂ることをシンバイオティクスといいます。

一緒に摂ることでより腸活の効果が高まるため、献立の中に両方取り入れてみましょう。

1つの料理でも、同時に摂れる簡単な献立をご紹介します。

<シンバイオティクスな組み合わせ>

・フルーツヨーグルト

フルーツヨーグルト

・オクラ納豆

オクラ納豆

・麦ごはんの味噌おにぎり

麦ごはんの味噌おにぎり

この中には、普段よく食べているものもあるのではないでしょうか。

食べ物の組み合わせを考えるのも楽しいものです。

こまめに摂取する

良い腸内環境を維持するためには、腸に良い食品をこまめに摂取することが大切です。

腸内環境は日々変化しています。脂質の多い食事や睡眠不足、ストレスなどは悪玉菌を増やす原因の代表です。

腸に良い食品を1回食べただけで満足せず、継続して摂り続けることで、腸内環境を良好に保てます。

こまめに摂取する

2週間は継続しよう

すぐに目立った効果が表れなくても、2週間は継続してみましょう。

腸内細菌は腸内で同じ種類同じ塊(集団)を作るため、その様子が顕微鏡で見るとお花畑のように見えることから腸内フローラと呼ばれます。

腸内フローラは子供の頃に定住する菌が決まったら、その後はほとんど変わりません。

そのため、食べ物から摂取した善玉菌は、1度摂取したからといって定住することはありませんが、続けて食べることで腸内フローラの一員として働いてくれる可能性が高まります。

腸内フローラ

おすすめレシピ3選

体に良いものでも美味しくなければ続きません。

腸活にぴったりな「スーパー大麦」や「イヌリン」を使ったおすすめレシピをご紹介します。

スーパー大麦コブサラダ

スーパー大麦コブサラダ

https://biolier.jp/recipe/salada/chikara-salad/recipe-mugi025/

食物繊維の多い穀物として知られる大麦、その大麦の2倍もの食物繊維を含むスーパー大麦を使うとたっぷりと食物繊維が摂れます。

スーパー大麦には野菜では摂りにくい水溶性食物繊維がバランス良く含まれるのも嬉しいポイント。

サラダに使う方法は、茹でたスーパー大麦をトッピングするだけなので、簡単なのに献立の幅が広がる嬉しいレシピです。

小麦粉の代わりにイヌリンでふわっとスフレパンケーキ

小麦粉の代わりにイヌリンでふわっとスフレパンケーキ

https://biolier.jp/recipe/staple/inulin-staple/recipe-inu017/

イヌリンは世界で最も使用されている水溶性食物繊維です。

子供にも喜ばれるパンケーキに小麦粉の代わりとして一部イヌリンを加えるとふわっとした仕上がりに。その他、お菓子に用いる砂糖の一部をイヌリンに置き換えて使うのもおすすめです。おやつや朝食、ドリンクなど色々な場面で使えます。

手軽に腸活生活をはじめるには、今までの食事を大きく変えないことも続けやすいポイントです。

いつもの料理に、イヌリンをプラスしてみてはいかがでしょうか。

風味豊かなスーパー大麦ドライカレー

風味豊かなスーパー大麦ドライカレー

https://biolier.jp/recipe/staple/chikara-staple/recipe-mugi029/

食物繊維の豊富なスーパー大麦に、発酵食品である味噌を入れた腸活カレー。

挽肉の一部をスーパー大麦に変える他、合わせるご飯にもスーパー大麦を入れてしっかりと食物繊維が摂れます。

栄養面だけでなくプチプチ食感がクセになる美味しさで、子供から大人まで好まれる嬉しいメニュー。

一皿でお肉や野菜も同時に摂れるため忙しい日にもおすすめです。

まとめ

腸内環境を良好に保つには、食べ物は欠かせません。

生きた善玉菌であるプロバイオティクスと、善玉菌のエサとなり菌を増やすプレバイオティクスを同時に摂ることが大切です。

プロバイオティクスとして働く可能性がある食品は、ヨーグルトや納豆、漬物などの発酵食品や、味噌などの発酵調味料です。

善玉菌は生きたまま腸に届くことも大切ですが、死んでしまっても体に良い影響があるため発酵食品は加熱して食べてもメリットがあります。

プレバイオティクスとして働く食品は大麦などの穀物、野菜、果物、海藻などに含まれる食物繊維やオリゴ糖です。

腸内環境は日々変化していますので、これらの食品をこまめに摂って腸が喜ぶ食事を心がけましょう。

福井医師 福井 美典 /医師(糖尿病専門医・抗加齢医学専門医・救急科専門医・総合内科専門医・栄養療法医・美容皮膚科医)


糖尿病内科・栄養療法・美容皮膚科に従事。
分子栄養学に基づき、不足栄養素を補うことで、 からだの細胞を活性化させる栄養療法を取り入れている。
糖尿病診療においては、からだにやさしい血糖値コントロールを基本に、低糖質・高たんぱく質の食事の大切さを、臨床で自ら栄養指導をしている。
美容皮膚科診療においては、美容施術のみならず、栄養療法を基本としたインナーケアにも尽力している。
公式instagram:https://www.instagram.com/fukuinaika.biyou.eiyou/
公式HP:https://www.seijinkai-clinic.com/

参考文献
・腸内細菌と健康 – e-ヘルスネット – 厚生労働省 (令和5年5月1日閲覧)https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/food/e-05-003.html
・食物繊維の必要性と健康 – e-ヘルスネット – 厚生労働省 (令和5年5月1日閲覧)https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/food/e-05-001.html
・「発酵」の不思議 農林水産省 (令和5年5月1日閲覧)https://www.maff.go.jp/j/pr/aff/2211/spe1_01.html
・今昔、豆の加工品。:農林水産省 (maff.go.jp) (令和5年5月1日閲覧)https://www.maff.go.jp/j/pr/aff/2102/spe1_03.html
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