腸活をする時にまず思い出す食物繊維。意識して摂っているつもりでも、実は調理の方法によってはしっかり摂れていないかもしれないのをご存知ですか?
せっかく食事を気にしているのに食物繊維が摂れていない!そんなことが無いように、ここでは加熱調理に着目して食物繊維を効率的に摂る方法を見てみましょう!
ゆでても壊れない食物繊維
加熱をして食べる野菜などに多く含まれる食物繊維。そんな野菜を茹でると量の変化はあるのでしょうか?
多くの食物繊維は水分中に溶け出ていくことはないので、茹でて食べることに問題はありません。しかし種類によっては食物繊維が減少することもあるので食べ方には注意が必要です。
ゆでると食物繊維が増える野菜
野菜の中には、茹でることで食物繊維が増える食材があります。その一例として、にんじんとキャベツを「生」と「茹で」の食物繊維量を比較すると、茹でることでより栄養価が上がっていることがわかります。
他にも、茹でることで食物繊維が増える食材をピックアップすると、
- 根菜:大根、かぶ、ごぼう、れんこん など
- 野菜:アスパラガス、かぼちゃ、カリフラワー、小松菜、ほうれん草 など
- きのこ:えのきたけ、しめじ、まいたけ、マッシュルーム など
- いも:里芋、ながいも など
茹でるよりレンジ調理がオススメな野菜
一方、なすやブロッコリー、しいたけなど、食材によっては食物繊維が減ることもありますので、電子レンジを利用して手軽に作れる温野菜にしたり、フライパンなどで焼き野菜にしたりして楽しむなど、調理法を併用する工夫をしましょう。
栄養とおいしさの一石二鳥
食物繊維を多く含む野菜や穀類をせっかく食べるなら、食品に含まれる栄養素は余すことなく取りたいですよね。そんなあなたのために食べる時のポイントをまとめました。
水溶性食物繊維豊富な雑穀
水溶性食物繊維を多く含む穀類は水分を含むと、もちもちとした食感で噛み応えが増し、少量でも満腹感を得られます。
雑穀ご飯としての食べ方がよく知られていると思いますが、大麦は茹でておけば保存も簡単!サラダや副菜にトッピングしたり、ひき肉の一部に使ったり、煮物に入れたりと幅広いレシピに使え、食物繊維が摂れるだけじゃなく、味や食感のアクセントにもなるので、おすすめです。
ゆで汁の活用や煮物で栄養をもれなく
野菜を茹でたゆで汁を捨てていませんか?ゆで汁には、野菜から溶け出た栄養素やうま味が含まれているので捨てるのはもったいない。ゆで汁を使って出汁をとる、煮物や汁物などに調理することで食材を柔らかくするだけでなく、煮汁に溶け出たうま味や栄養素を余すことなく摂りましょう。
蒸し料理なら野菜をたくさん
野菜はカサを減らして一度に多くの量を摂りましょう。また、ビタミンなどもしっかり摂りたい場合は蒸してカサを減らすのが効率的。耐熱容器を使えば電子レンジでも蒸し野菜を作れます。
食物繊維たっぷりの茹でレシピ
最後に、管理栄養士がおすすめする、こんなメニューを今夜のお食事にいかがでしょうか?
材料(2人分) | |||
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大麦 | 1/4カップ | 水 | 2カップ |
人参 | 1/3本 | トマト缶 | 1/3缶 |
キャベツ | 3枚 | コンソメ | 小さじ1 |
玉ねぎ | 1/2個 | しょう油 | 大さじ1 |
しめじ | 1/2パック | 塩 | 適量 |
にんにく | ひと欠片 | こしょう | 適量 |
オリーブオイル | 大さじ2 |
作り方 | |
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① | にんにくはみじん切り、人参は5mm程度の厚さの半月切り、キャベツは色紙切り、玉ねぎは薄切り、しめじはほぐしておく。 |
② | 大きめの鍋にオリーブオイルを弱火で熱し、にんにくを香りが出るまで炒める。そこに玉ねぎを加えてしんなりしたら、玉ねぎ以外の野菜を加えて炒める。 |
③ | 全体に油が回ったら水、押し麦、トマト缶、コンソメを加える。 |
④ | 煮立ったらアクを取り除きしょう油、塩、こしょうで味をつけてから蓋をし、15分ほど弱火で煮る。 |
⑤ | 野菜が柔らかくなったら味を整えて完成。 |
まとめ
食物繊維を茹でるとどう変化するのか?茹でた場合のおすすめの食材とその食べ方レシピ、茹でない方がいい食材の別の調理法などを紹介してきました。
ぜひレシピのメニューや食べ方の工夫を毎日の食事に取り入れて、食物繊維を上手に摂ることで一日の目標量を目指しましょう。
この記事はこの方に監修いただきました。
山本 佑里子|管理栄養士 | |
資格取得後は福祉施設での献立作成から調理、さらに栄養講座や介護予防事業を実施。その後、公立中学校において学校栄養指導員として給食の運営に携わりました。現在は、歳を重ねても健康な身体で過ごせる方が増えるよう、自分に合った食事や生活習慣を目指していただくために特定保健指導や食事サポートを行っています。 今後もやりたいことを何十年も楽しめる方が増えるよう、健康な身体づくりのサポートに繋がる生活に取り入れやすい情報を発信します。 |