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コラム

食物繊維の種類による発酵性とカロリーの違い

 

多くの種類がある食物繊維

腸活を意識されている方は、「食物繊維が腸活に重要」ということはお聞きになったことがあるもしれません。
食物繊維の定義は、各国、各組織で異なっているのですが、一般的には、

人の消化酵素によって消化されない、食物中の難消化性成分の総称

とされています。

一言で食物繊維と言いますが、その種類は非常に多く、例えば由来で分類すると、植物性食品由来動物性食品由来難消化性人工合成物に分けられ、水への溶解性から水溶性食物繊維不溶性食物繊維に分類することもできます。

 

食物繊維の発酵性とカロリー

腸活を意識するとき、食物繊維が善玉菌などの腸内細菌のエサとなり短鎖脂肪酸を産生する発酵性という特徴が重要になります。
発酵性は、どれだけ腸内フローラに利用されるかの指標となるのですが、食物繊維の種類によって異なります。

消費者庁では、栄養成分表示に記載するカロリーに関連して、食物繊維等のエネルギー換算係数の評価を行ったのですが、このときに食物繊維の発酵性について検討しています1)

 

カロリーの計算と発酵性にどのような関係があるのでしょうか。

 

「食物繊維は人の消化酵素によって消化されない」とは・・・消化されないなら、カロリーはゼロではないか?と思う方もあるでしょう。
実は、食物繊維が腸内細菌のエサとなって短鎖脂肪酸が産生されたとき、その短鎖脂肪酸は大腸から吸収されます。
そのため、この短鎖脂肪酸として吸収されるカロリーについても考慮する必要があるのです。

ここでは、小腸から吸収されてエネルギーとして使われる炭水化物は4kcal/gなのに対し、腸内細菌が発酵することで短鎖脂肪酸となって大腸から吸収される成分は2kcal/gであり、発酵せずに排出される成分は0kcal/gとして評価しています。

そして、例えば50%が小腸で消化吸収され、残り50%が大腸で完全に発酵されるときは、4kcal/g x 0.5 + 2kcal/g x 0.5 = 3 kcal/gというように計算されています。

 

この評価では、同じ水溶性食物繊維でも発酵性が異なっていることが分かります。

 

例えば、不溶性食物繊維のメチルセルロースは、全く発酵性が無く0kcal/gであり、同じく不溶性食物繊維のセルロースやグルコマンナン、水溶性食物繊維の難消化性デキストリンやポリデキストロースは少し発酵性があり、1kcal/gとなっています。

それに対して、水溶性食物繊維のイヌリンやグァーガム酵素分解物は2kcal/gとなっており、完全に発酵されると評価されています。

 

腸活で食物繊維を取るとき、一歩進んで腸内フローラのエサとしての発酵性についても考えてみると良いかもしれません。

 


1) 難消化性糖質及び食物繊維のエネルギー換算係数の見直し等に関する調査・検証事業報告書(令和2年4月、消費者庁)。

 

 

 

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