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亜鉛不足がもたらす様々な不調

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亜鉛は健康にとって重要かつ役割の多い栄養素。しかし男女ともにどの世代も不足していることが指摘されている栄養素でもあり、補給するためのサプリメントもたくさん販売されています。このページでは、亜鉛が不足すると体にどのような影響があるのか、食事でしっかり亜鉛を摂るための食材やおすすめの食べ方などを紹介します。

亜鉛不足がもたらす様々な不調

国民健康・栄養調査(令和元年:厚生労働省発表)の結果を見ると、男女ともにどの世代も亜鉛が不足していることがわかります。
「日本人の食事摂取基準(2020年版)によると、成人男性(18~64歳)の1日当たりの亜鉛の推奨量は11mg、成人女性(18~64歳)で8mgとあります。この推奨量に対して、実際の亜鉛摂取量は成人男性(20歳以上)の平均値で9.2mg、成人女性(20歳以上)の平均値で7.7mg。特に、30代の男性は9.1mg、20~30代の女性は7.3mgと男女とも若い世代で推奨量に対して摂取量が大幅に不足しています。

成人男性 成人女性
推奨量 11mg/日 8mg/日
摂取量 <20歳以上平均>
9.2mg/日
<20歳以上平均>
7.7mg/日
<30~39歳>
9.1mg/日
<20~49歳>
7.3mg/日

亜鉛が不足するとどうなる?

亜鉛は体の中で様々な働きをしているとても重要かつ役割の多い栄養素です。
特にタンパク質やDNAの合成酵素としての働きは重要で、小児では不足すると発育の遅延が起こります。

また、亜鉛は味を感じる味蕾細胞の産生に関係があり、亜鉛が不足すると味を感じにくくなる味覚障害になる可能性があります。昨今、ジャンクフードに偏った若年層や食が細くなる高齢者層での味覚障害が問題になっています。例えば甘いもので苦く感じるなどが挙げられます。

亜鉛不足によるほかの症状として、お肌のかさつき、薄毛や抜け毛、体を病原菌やウィルスから守る力の低下、さらに、女性の場合、ホルモンバランスが崩れ生理周期の乱れにつながることもあります。

また、亜鉛には神経伝達物質を合成し、精神を安定させたり脳の機能を高めたりする働きがあるため、不足すると感情のコントロールが難しくなる傾向にあります。

そのほかにも、食欲不振、皮膚炎、生殖機能の低下、慢性下痢、認知機能障害などのさまざまな症状が現れます。

亜鉛を多く含む食材を意識する

亜鉛の吸収を高める食品としては、動物性のタンパク質などが挙げられます。また、吸収を阻害する成分として、フィチン酸(大豆などに含まれる)、過剰な食物繊維、リン酸などが知られています。
現代人はビタミンやミネラルの摂取不足傾向にあります。中でも亜鉛が不足しているため、亜鉛が含まれている食材は何かを知って、意識的に摂取していくことが大切です。
また、菜食主義者、ヴィーガンの方は亜鉛を豊富に含む肉や魚を摂取しないことからより注意が必要です。豆類や穀類などには亜鉛の吸収を阻害するフィチン酸や食物繊維を多く含む傾向にあるため、推奨量よりも50%ほど多くの亜鉛を摂取する必要があるかもしれません。

亜鉛を多く含む食材

※全て可食部100g当たりの量/単位mg

  • 牡蠣(養殖・生) 14.0
  • かたくちイワシ田作り 7.9
  • しらす干し 3.0
  • うなぎかば焼き 2.7
  • 豚レバー 6.9
  • ラム肩肉 5.0
  • 牛もも肉 4.8
  • スーパー大麦 3.8
  • アーモンド 3.6
  • 切り干し大根(乾燥) 2.1


スーパーフードを有効活用する

外食が多い方はもちろんのこと、普段からきちんと食事をバランスよく摂っている方も、スーパーフード(栄養バランスに優れ、一般的な食品より栄養価が高い食品)を活用することをおすすめします。その中の一つ、スーパー大麦には亜鉛のほか、鉄、ビタミンB6、食物繊維などがたっぷり含まれています。手軽に摂れるスーパー大麦を常備し、サラダにトッピングしたり、スープに入れたり、日常の食事に摂り入れることにより、不足しがちな栄養素を手軽に補うように心がけることをおすすめします。

スーパー大麦を使った亜鉛強化レシピ

雑穀は亜鉛を多く含む食材として手軽に取り入れやすいものの1つ。日本で一般的に食べられている穀物の中で100g中の亜鉛量が最も多いのは、スーパーフードとして有名なアマランサスで、亜鉛含有量は5.8mg/100gです。スーパー大麦はアマランサスに次いで多く含まれ、亜鉛含有量は3.8mg/100g。ここではスーパー大麦を使って管理栄養士が考案した「亜鉛強化レシピ」を2品ご紹介します。

ラム肉とスーパー大麦のスパイシースープ

亜鉛とタンパク質が豊富なラム肉と、亜鉛と食物繊維が豊富なスーパー大麦の組み合わせで栄養素をバランスよく摂取できるスープ。1食で亜鉛が8.2mg摂取でき、カレー風味が食欲を促す1品です。


牡蠣とほうれん草のキッシュ

牡蠣とスーパー大麦で1食で9mgの亜鉛を摂ることができ、亜鉛の吸収を高める動物性のタンパク質(卵、チーズ、生クリーム)を組み合わせたヘルシーでパワー満点のお料理。

この記事はこちらの方に監修いただきました。

北川みゆき
合同会社Holistic Style代表、日本栄養コーチ協会副代表

管理栄養士、米国Nutriton Therapy Institute認定栄養コンサルタント、米国Phytomedic Labs認定酵素・栄養セラピスト。アメリカの最新栄養学を学び、人を「食・心・体」全体で捉えることの重要性を学ぶ。大学病院、統合医療系クリニック、保育園を経て独立。全国での講演・講義、セッション、コラム執筆、監修、レシピ開発、予防医学コミュニティ運営など多岐にわたり活動中。
・栄養ベーシックコーチプログラム
https://peraichi.com/landing_pages/view/eiyou1


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