もしあなたがお通じに課題がある場合は、食物繊維を摂り入れることは意識されているかもしれません。でもななかな解消されない、、なんてお悩みでしたら、便を柔らかくしてくれる水溶食物繊維を意識して摂り入れてみることをお試しされてはいかがでしょうか。
食物繊維は大きく水溶性食物繊維と不溶性食物繊維の2種類に分類できますが、この記事では、水溶性食物繊維が便秘解消や生活習慣病などに役立つその特徴、多く含まれる食材やどのように摂り入れるのがおすすめなのかご紹介します。
水溶性食物繊維の働きと期待される効果
水溶性食物繊維の特徴は、水分を吸収することでネバネバしたりサラサラしたりするものに変化すること。その特徴により、お通じ改善だけでなくダイエットや生活習慣病などにも期待される働きががあります。
便を柔らかくする
体に不要な老廃物を包み込んで外に排出する、水分を吸収し便を柔らかくするという働きがあります。便が固くて出ないとか固めのコロコロうんちが出る場合は、水溶性食物繊維を意識して積極的に摂取してみるのがよいでしょう。
善玉菌のエサになり腸内環境を整える
腸内細菌の一種である善玉菌のエサにもなると言われていますので、大腸内の善玉菌を増やすことも期待でき、腸内環境を整えることにも役に立つ。不溶性食物繊維よりも発酵の影響を受けやすいので、腸内環境改善には水溶性食物繊維の摂取が重要です。
食べ過ぎを抑える
食べ物が水溶性食物繊維に包み込まれることで腸内をゆっくりと進むので、空腹感を感じにくくなり食べ過ぎを抑えてくれることや、糖質や余分なコレステロールの吸収を抑えるためダイエット効果も期待できます。
血糖値の急上昇を抑え糖尿病の予防も期待
消化吸収のスピードがゆっくりになることで、血糖値の上昇を穏やかにする作用があるので、糖尿病などの生活習慣病予防に有効です。
コレステロール値の上昇を抑える
粘性のあるものはネバネバ質を生み、糖質や余分な脂質を包み込んで排出してくれるので、コレステロール値の上昇を抑えます。
なお、コレステロールが気になる方は、こちら(中性脂肪やコレステロールには脂質代謝をサポートする食材選びを)もチェックしてみてください。
水溶性食物繊維の種類
水溶性食物繊維の代表的な5種類を豊富に含む食材とともにご紹介します。
- りんご、プルーン、野菜などに含まれるペクチン
- 昆布、わかめ、ひじきなどの海藻類に含まれるアルギン酸
- こんにゃく、山芋、里芋などに含まれるグルコマンナン
- 大麦、オーツ麦、グアー豆などに含まれるガム質
- 菊芋、チコリ、にんにく、玉ねぎなどに含まれるイヌリン
- トウモロコシを原材料とし人工的に作られた難消化性デキストリン
野菜から摂取しずらい水溶性食物繊維
私たちが食物繊維と聞いてまっ先にイメージするのは野菜でしょう。レタス〇個分の食物繊維!などのフレーズもお馴染みですね。では、野菜の食物繊維を見てみると、、
実は、野菜中の食物繊維は不溶性が多いんです。なので、野菜をしっかり摂っている方でも、実は水溶性食物繊維はあまりとれていないかもしれません。実際のバランスは1:4になっているなどの統計データもあります。
水溶性食物繊維を含む食材
水溶性食物繊維は野菜にあまり含まれないので、水溶性食物繊維の種類でもあげたように、あまり毎日の食卓に並ぶ食材ではありませんが、いわゆる「ネバネバ・ツルツル・トロトロとした食感」のものが多いのが特徴です。
- 穀類:大麦、オートミール、ライ麦など
- 海藻:ひじき寒天、のり、わかめ、昆布、もずく、めかぶなど
- 野菜:モロヘイヤ、オクラなど
- 芋類:こんにゃく、じゃが芋 里芋 長芋など
- 果物:いちご、みかん、アボカドなど
煮物にした時に、「煮くずれやすい繊維質の少ない食品」と考えるとより身近かもしれません。どれもスーパーなどで簡単に手に入れることができる食材ではあるので、日々の食生活において意識的にこれらの食材を食卓に並べてみましょう。
これらの食材から食物繊維だけを抽出して粉状にしたサプリメント形態の製品も市販されています。コーヒーなどの飲み物に入れたり炊飯時に混ぜるだけという手軽さなので、試してみるのもいいかもしれません。
水溶性食物繊維ランキング
最後に主な食品の中から、100gあたりの水溶性食物繊維量が多い食材をご紹介します。なお、海藻類など水溶性食物繊維のデータが掲載されていない食材は対象外としています。
順位 | 食材 | 分類 | 水溶性食物繊維 (*1) | (参考) 食物繊維総量 |
---|---|---|---|---|
1 | らっきょう(生) | 野菜 | 18.6g | 20.7g |
2 | スーパー大麦(*2) | 米・雑穀 | 8.3g | 23.3g |
3 | 押麦 | 米・雑穀 | 4.3g | 7.9g |
4 | えんばく/オートミール | 米・雑穀 | 3.2g | 9.4g |
5 | ごぼう(生) | 野菜 | 2.3g | 5.7g |
6 | 豆みそ | 豆類 | 2.2g | 6.5g |
7 | レモン | 果物 | 2g | 4.9g |
8 | アボカド | 野菜 | 1.7g | 5.6g |
9 | ごま | 豆類 | 1.6g | 10.8g |
10 | 大豆 | 豆類 | 1.5g | 17.9g |
10 | キヌア | 米・雑穀 | 1.5g | 6.2g |
12 | オクラ(生) | 野菜 | 1.4g | 5g |
13 | アマランサス | 米・雑穀 | 1.1g | 7.4g |
14 | なめこ(生) | きのこ | 1g | 3.4g |
15 | ブロッコリー(生) | 野菜 | 0.9g | 5.1g |
15 | さつまいも(生) | 野菜 | 0.9g | 2.8g |
17 | アーモンド | 豆類 | 0.8g | 10.1g |
18 | 麦みそ | 豆類 | 0.7g | 6.3g |
18 | 玄米 | 米・雑穀 | 0.7g | 3g |
18 | かぼちゃ(生) | 野菜 | 0.7g | 2.8g |
18 | にんじん(皮つき・生) | 野菜 | 0.7g | 2.8g |
18 | ほうれんそう(生) | 野菜 | 0.7g | 2.8g |
参照元:「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」
1):100gあたり
2):日本食品分析センター分析値
まとめ
水溶性食物繊維は、積極的な摂取が推奨されている栄養素ですが、意識的に食材を選ばないとなかなか普段の食生活では不足してしまいがちです。雑穀などを上手に取り入れたり、サプリメントを活用したりして、元気な腸で健康を支えられたらと思います。
最後までお読みくださりありがとうございました。